
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第8章 目指す先に何があろうと
「・・・、」
「先生、」
あたしの顔を見て、ただ呆然としている先生。
会えた―――、それだけが嬉しくて。
あたしは階段を駆け上がって、勢いよく先生に抱きついた。一瞬フラフラしたものの、しっかりと受け止めてくれる。
先生のにおい、懐かしいにおいだ。あたしの大好きなにおい。
「せんせぇ―――、」
力を込めて抱きしめる。会えた喜びの所為か、会えなかった時の哀しみの所為か、フられるかもしれないっていう不安の所為か。
今のあたしには分からないけれど、何故か涙は止まらない。
「せんせぇ、せんせぇ…、ぅ…っ、せんせぇっ、ぅ、」
見せられない位、汚い泣き方をしている。見られたくなくて、先生に抱きつきながら下を向いているのに、先生はやっぱり意地悪だ。
顎を掴んで、上を向かせる。
ぐちゃぐちゃな顔みられて、幻滅されないかな。先生と目が合って、何も考えられなくなる。
…先生が居るんだ。今、目の前に。
