
喘ぎ声レッスン*SS追加中*
第10章 一つの終着点
「ありがとうね」
「ああ、」
車から降りたくないけれど、時間が来てしまった。
もっといたかったけれど、時間は待ってくれないのだ。
「実家行くの楽しみにしてるね?」
「ああ、」
さっきから同じ返答しかしないので寂しく感じる。優ははやく帰りたいのかな?
「じゃぁ、これで―――」
あたしがインターフォンを押したと同時に、優があたしを抱きしめた。
お母さんに見られたら茶化される!嬉しいけど、あたしは先生から体を離した。
「嬉しいけど、その。親に見られたら面倒臭いから…。今日はありがとう…、」
触れたいと思ってしまうのは病気なのかな?優依存症。まさしくあたしはそれだ。
車が行ってしまう頃に、丁度ドアが開いた。
良かった…、そう思ったのも束の間。
「彼氏?」
ここにも楽しそうな悪魔が一人。この話題で今日は茶化され続けそうだ。
