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喘ぎ声レッスン*SS追加中*

第19章 彼の顔

目が覚めるまで、
あたしは手を握り続けた。

じっと、優が起きるのを待つ。


息をしている。
優はちゃんといきてる。


ただその事だけが嬉しくて。
優の手をぎゅっと握りしめた。


「じゃぁ私は帰るよ。
梓ちゃん頼んでもいいかな?」

優のお父さんがあたしに
気をつかってくれたみたい。

頭を下げて、お父さんに挨拶した。


そういえば、優のお父さんの隣にいた女の子は誰だったんだろう?


焦り過ぎてあまり考えていなかったけれど、確かお父さんの隣に見知らぬ女の人と男の人が座っていた。

あたしは優の寝顔を見ながら、もう一度、手を握りしめた。

窓の隙間から入る月の光が、
優の顔を照らしていた。


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