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喘ぎ声レッスン*SS追加中*

第21章 消えた記憶



「あ、お前さん。
俺のこと知らへんもんな?」

「…」

優は何も答えなかった。


あたしの視界は真っ黒のままだ。

今顔を上げると、泣いている事がバレちゃうから、あたしはその状態で止まっていた。


「君は、その子の彼氏なの?」

「そうやで?」

「…お前には聞いてない。
その子に聞いてるんだけど」


優が仁を威嚇するような声を出す。あたしは顔を上げない。

…上げられないのだ。

こんなに泣いて、不細工な顔…優には見せたくない。

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