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喘ぎ声レッスン*SS追加中*

第21章 消えた記憶



「そうなの?」

「…、」


どうしよう。

なんて答えれば良いのか分からない。


きっと頷けばすむ話。だけどそんな事好きな人の前で出来ない。頷かなければ、仁に申し訳ない。


「ねぇ――?」


優の声を聞くと、枯れた筈の涙がまたあふれ出してきた。

優との思い出がよみがえる。

声を聞くと優があたしの事を〝好き〟と言ってくれた時を思い出す。



あたしは耐えられなくなり、顔を下に向けたまま、仁から離れた。


そして外に走り出した。

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