雨の中の君へ。
第1章 雨の中。
雨の中…君はただ佇んでいた。
私はただ、震えていた。
君は、私の手を引いて、ただ、冷たく濡れた私を温めようと、入ったのがラブホだった。
君は、熱いお風呂をためてくれて、私の服を何でもないように一枚ずつ脱がせ、素っ裸の私をお姫様だっこして、ジャグジーに入れてくれた。
何十分くらいだろう…体の芯まで冷たくなってた私に感覚が戻ってくる。
と同時に思考回路が戻ってくる。
「タケル!!」
に見られた素っ裸!
…左側を見ると長身なその姿が腕組みをして立っていた。
「意外と胸でかいんだ」
「!!」
するりとタケルが私の胸に触れる、ほほに触れ、キスをした。両手で顔を固定される。
にゅるり…舌が器用に侵入してきた。
「…んっ…はぁっ…あっ」
思いのほか、巧みなキスに頭が真っ白になる。
何も考えられないくらい、夢中になってしまうキス…
お、溺れちゃう…!
「…っタケル!」
ドンッとタケルの胸板を押す。
けどタケルは動じない。ザバッとサキを風呂から抱え上げ、ベッドに投げた。
「打ち上げられた人魚みたい♪」
ペロリとタケルが舌をなめ、サキの足先を舐める。