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雨の中の君へ。

第3章 彼。


「今度休み取れたらさ、地元行こうよ。」

ドキ…乱れた髪をまとめる手が止まった。トモヤは実家に挨拶へ行くことを誘っているのだ。

「…うーん。どうかな。新作発表任されてるからしばらく休みは取れないと思う」

実際、今度の新作にはすでにドラマ化や映画化のオファーが来ている。畑山先生のすごさを実感する。

「また、連絡するね。」

小さなため息をつくトモヤに気付かないふりをして家を出た。

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