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ブーン…

また鳴り出しタケルかと思ったら、畑山先生のマネージャーの金谷さんからだった。

「もしもし」

「サキさん夜中にすみません！第二回目原稿あがりました！」

やっぱり…。トモヤも起きた。

「ありがとうございます。お伺いします。」

「仕事？大変だね」

トモヤが眠たい目をこすりながらベッドの脇のライトをつけてくれた。

「うん。二回目書けたって。」

トモヤに軽くキスをしてベッドから降り、床に投げ出された下着を拾う。夜中の1時…。

「でもよくよく考えたらすごいよね。畑山竜二の話を一番最初に読むことができるんだもの。」

トモヤがベッド脇の明かりをつけてくれた。

「うん。昼間に呼んでくれると助かるんだけどね。」

…一つの話を始めから終わりまで書いて渡す作家さんと、少しずつ書いて渡す作家さんとがいて、畑山先生は後者だ。思いついた時にばっと書いて、その時編集担当者に読ませる。読んでいる編集者の顔をみて、修正したり加筆する。時には捨ててしまうこともある。