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雨の中の君へ。

第4章 星。

コト…どうにも眠れそうになくて、そっと起きて水を飲みにいく。

「!!」

部屋の戸を開けたとたん抱きしめられた…

「タケルっ…」

思わず…本当に思わず抱きしめてしまった。

ギュッとお互いが抱きしめ合う。


雷に撃たれたようだ。


タケルに触れると真っ白で何も考えられなくなる。


会うのが嫌だった。


タケルと会うのが嫌だった。



自分の気持ちを知るのが怖かったから…


タケルが私を力強く抱きしめるたび、私も力強くタケルを抱きしめる。


そのままの状態で後退して書斎に入った。


布団に二人とももつれるように倒れこむ。


タケルが上半身を起こし、真っ直ぐな目線を私に落としている。タケルの両手が私の肩をちょうど挟んでいる。

あの時と同じ眼差し。

でも、真剣な顔。この間みたく茶化したりしない。…私も同じような目でタケルを見ているんだろう。

唇がそっと降りて来た。

私も目をとじる。

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