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雨の中の君へ。

第5章 罪と罰。

「おはようございます!」

「いやー、助かった。畑山先生、今晩の直木賞審査員の記者会見と懇親会もさっきまで欠席だったんだよ。」

鬼百合編集者に感謝された。本当に困っていたんだろう。

先生が用意してくれた服や靴は全て私のサイズだった。下着から化粧品まで揃えてもらっていたから、私はホテルから直接出勤できたのだ。

…全て知ってるって言ってもそこまで知ってるとは思わなかった。

「しかも、次回作もお前に担当して欲しいと言ってたぞ。」



バシッ…

「きゃっ…」


突然左頬を叩かれた。

「光井!」


…光井先輩⁈


「泥棒猫!!」

掴みかかろうとする先輩を鬼百合編集長が止める。

編集部にいる全員が私たちを見た。

「次回作は私と決まっていたのよ!!」


光井先輩が私をすごい形相で睨む。

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