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天使で悪魔なセラピスト

第2章 セラピスト





ユナは息を切らしながらおどおどと辺りに視線を配った。


そこは確かに病院のようだ。



けれど、受付カウンターらしき場所にも、待合らしきソファにも人は一人も見当たらなかった。



トントン!



不意に背後でガラス戸をたたく音がし、ユナはピクリと肩をゆすって振り返ると。


さっきのいやらしい男がにやつきながら、ガラス越しにユナの方を覗き込んで手招きした。


「いやあああ!」


あまりの恐怖でユナは叫んでその場にしゃがみ込み、泣き出してしまった。


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