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天使で悪魔なセラピスト

第2章 セラピスト




その時。


不意に、受付の奥の白いドアがカチャリと開かれた音がした。


おびえたまま体を小さくかがめ、ギュッと目を閉じていたユナはその気配だけを察していたが、恐怖におののくあまり顔を上げることができなかった。


「いや!いやぁ!」


きつく目を閉じ頭を振りながら泣き叫ぶユナの横を、誰かがすり抜けた。


そのあとに続くように、清々しくて甘い、不思議な優しい香りがふわっと立ち込め、ユナは思わずはっと顔を上げた。




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