天使で悪魔なセラピスト
第4章 斉木センセイ
なんだか、まだ夢の中の出来事みたいで信じらんない。
ゆっくりと足を進めながら、ユナは隣を歩く長身の蓮を見た。
白衣を脱ぎ私服をまとった蓮は、微風にもサラサラと褐色の髪をなびかせ、凛とした顔を前に向けて歩いている。
風に踊る髪の先がが夕日に透けて、
…本当に、人間離れした美しさだ、とさえ、ユナは感じた。
こんな綺麗な人に、私は、
キスを、
…
そして、…胸を触れられて…
さっきの出来事を思い浮かべてしまったユナの左の胸の頂が、ジンと熱くなった気がして。
あ、っと小さく声を上げ、おもわず立ち止まった。