天使で悪魔なセラピスト
第4章 斉木センセイ
実はユナは自分の身体にまともに触れたことはなかった。
もちろん、男性と愛を交わす時になれば、そういう行為があることは知識として知っていた。
そしてこんな風に自らの手で触れ、悦びを得る行為があることも。
だけれど、恐怖の対象でしかなかった男との行為からもたらされるそういう現象は全て、自分にとってはよくないもののように思えて、ずっと避けて来た。
なのに。
あのセラピストの男の名を呼びながら、無意識に触れ、そして濡らしてしまうだなんて。
初めての経験とともに、驚きを隠せなかった。