天使で悪魔なセラピスト
第4章 斉木センセイ
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「ユナさ、それヤバくない?」
寮の食堂で、眉を潜めながらそう囁くのは、ユナの大学の友人・笹岡なつみだった。
ユナとなつみとは大学の同期生。
女子寮でも隣の部屋同志で、ユナが心を許しなんでも話せる、数少ない友達の一人だった。
「…いくら追い込まれてたからって、偶然駆け込んだ心療内科の男の先生に、治療って言っていきなりキスとかって…ありえない。絶対カラダ目当てだって!」
「うん。そう考えるのが普通だよね。だけどね、なつみ。私、…初めてだったの。男の人に触れられても恐怖を感じなかったの」