天使で悪魔なセラピスト
第5章 始 ま り
くっ、と彼がいきなり指の先を曲げた感覚。
「きゃっ」
ショーツの布がぬるりとこすれ、ユナはぞくりと身を震わせた。
「…ここ。どうなってるか、わかる?」
優しくも意地悪な蓮の問いかけに、ユナはとうとう小さくしゃくりあげ始めた。
「ごめっ…なさいっ」
もはや取り繕いようのない事実に、羞恥でどうにかなってしまいそうだった。
「お馬鹿さん。…どうして謝る必要があるの?」
そう言いながら困ったように微笑んだ蓮の顔は怖いくらいに美しく、ユナに焦燥を掻き立てる。
「こんな風に濡れているのは、キミのココが女性としての悦びをほしがっている証拠さ。…」
ん?と首をかしげ言いながら、蓮の指は頬を滑り落ちるユナの涙をそっと拭った。
優しくされると、なおのこと恥ずかしい。
ユナは嗚咽しながら、再び蓮の白衣に顔をうずめた。