テキストサイズ

あなたが消えない

第9章 深夜2時のお仕置き

お仕置き?

「とにかく今は勘弁して?…ねっ?お願い」

私は気が付いていた、自分の股に硬い何かがあたるのを。

それが何なのかと、少しでも考えると快感に吸い込まれそうになる。

「いいよ、じゃあその代わりに深夜の2時に、 ここにまた抜け出して来てよ。俺、玄関の前で待ってるから」

えぇっ?!

「それ、本気?」

私はその言葉に驚いて翔を見る。

「あぁ、本気だ」

翔は突き刺すような生殺しの目をして、笑って言った。

「…」

無理だよ、絶対そんな事…。

「約束だよ?」

その目で覗き込まれるから…私は、頷いた。

握られたままの手を、翔はいつまでも握ったまま。

なかなか離してくれない。

「翔?」

見上げた時にキス。

「待ってる」

そう言って、スルリと指をほどかれる。

ほどかれた後に、すぐに寂しくなるだなんて。

私は今を後悔しながら、部屋に戻る。

やっぱり、私は翔が好き…!

本気で好き!

苦しくて、胸を押さえた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ