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あなたが消えない

第11章 絶頂感にひれ伏す

今夜はフカフカの布団で、翔と熱い夜を過ごす。

「ラブホなんて、久しぶりだ。なるほど、今は色々と置いてあるんだなぁ」

翔はホテルの部屋に入ると、タバコを吸って部屋の中を丹念にチェックする。

「嘘、翔なんてエッチだから、何度も来てるんでしょ?本当は」

「いいや、俺はタンパクだから、こういう場所での経験は過去あまりない」

絶対、嘘だ。

おまえのエッチは変態系だから。

「ふぅ~ん」

私の意味有りがちな返事に、翔はジーッと目を凝らして見つめていた。

「翼はどうなの?」

「えっ、私も若い時は、そらまぁねぇ」

「へぇ~、そうなんだ」

「こういう場所は雰囲気に飲まれやすいからな」

まぁ、確かに。

ベッドに置いてある、サービスのアイマスクを翔は手に取り、ニヤリと笑う。

「これで熟睡しろってか?…違う使い方するために、わざと置いてある癖に…ウケル」

私はその言葉にギュッと身体が縮まった。

「何から何まで、いやらしい」

翔は、テレビを付けてチャンネルをパチパチ変える。

「…今でもエロビ流れてんだよな?」

「やだ、そんなもんにまだ興味あるの?」

「そらぁ、男だからな。たまには見たいさ」

嘘だ。本当はネットだとかで見てる癖に。

翔はタバコを吸いながら、エロビをパチパチ変えながら冷静な顔付きで見ている。

「ほほう、なるほどねぇ」

そう言って、わざと大音量にする。

部屋中にエロビの中の、女と男の喘ぐ声が響き渡る。

心臓が宙に浮くような感覚が襲ってきて、私は身体が火照り出して立って居られなくなって、

「もぉ、音量小さくしてよ」

「嫌だね」

リモコンを頭上へと高く上げられる。

「じゃあ、違う番組にしてよ」

「嫌だ」

私は取り上げられたリモコンを必死で奪おうとしたら、翔はリモコンをベッドに放り投げて、私を抱き締めてキスをした。

「翼、時間が勿体ない。さっそくしよう」

私はドキッとして、生唾を飲み込んだ。

「音量小さく…」

んんぅ…!

言葉の途中でキスされた。

「いいの、このままで」

私はキスをされたまま、ベッドへと押し倒された。

私の意思は今夜は通してくれないみたい。











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