テキストサイズ

紅蓮の月~ゆめや~

第10章 第三話 【流星】 二

 兼家の方も最初の頃は、そんな美耶子の頑なさを初々しい恥じらいだとかえって可愛いものだと思っていたようだ。が、それも次第に慣れてくると、物足りないと思うようになったらしい。
 もしかしたら、兼家が怒って途中で帰ってしまったので、伴の康光も早めに切り上げて帰らなければならなかったかもしれない。だとすれば、美耶子は女房に気の毒なことをしたと思った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ