紅蓮の月~ゆめや~
第3章 紅蓮の月 二
男と初めて臥床を共にするときには怖いと思うし、触れられようとすれば、逃げ出したいと思う。流石に、その台詞を信長の前で口にすることは躊躇われた。帰蝶が口ごもると、信長は笑った。
「それで良い。そなたには、しおらしいよりは元気の良いはねっ返りの方がよほど似合うというものだ」
信長はしばらく笑っていたが、やがて真顔になった。
「儂はこれまで大人しい女が好きだったが、どうやら趣味が変わったようだ。美濃から来たじゃじゃ馬に惚れた」
信長は臆面もなく堂々とそんなことを言った。聞いていた帰蝶の方がカッと頬が熱くなる。
「それで良い。そなたには、しおらしいよりは元気の良いはねっ返りの方がよほど似合うというものだ」
信長はしばらく笑っていたが、やがて真顔になった。
「儂はこれまで大人しい女が好きだったが、どうやら趣味が変わったようだ。美濃から来たじゃじゃ馬に惚れた」
信長は臆面もなく堂々とそんなことを言った。聞いていた帰蝶の方がカッと頬が熱くなる。