紅桜学園イケメン部!
第12章 全ての発端
それから殴られ蹴られ、倒れ込んだ俺を踏みつぶす男。
意識朦朧として、瑠菜を見た。
俺なんかより瑠菜の方が痛いのに。
俺は体がいたいけれど、彼女は心が痛いのだ。
「―――瑠菜っ…ごめんっ」
助けてやれなくてごめん。
弱っちくてごめん
無力な兄で、ごめん。
男はそれでも蹴るのを止めない。
俺が血を吐いても、決して止まらない足。
こいつに勝ちたい、こいつに対抗出来る力が欲しい。
無力な自分を捨て去りたい。
そんな事を考えながらその日、俺はそのまま気を失った。