紅桜学園イケメン部!
第13章 無力で愚か
俺が鍛えている間も、瑠菜はやられ続けた。
そのたびに俺は彼に対抗する。
学校ではそこそこ強くなってきたのに、相変わらず歯が立たない。
瑠菜は泣きながら喘ぐ。
俺は殴り返すが、倍返しにされる。
裸の瑠菜を見て
「いっひゃっひゃっ…」
と気味の悪い笑い声をあげるその男は、もう完全に壊れていた。
いつもの夜が来るのが怖い。
俺は夜が怖い。
もう二度とお日様を見る事ができないんじゃないかと、夜になる度に考えた。
もう夢にも出てくる位だった。
あいつは3日に一回は帰ってこなかった。
その日だけ、俺は瑠菜の悲しむ姿を見ずにすんだ。
…俺は安心して
眠れなかったのだけれど。
夢にまで出てきて、俺の心をむしばんでいくのだ。震えて眠れない時もあった。