紅桜学園イケメン部!
第21章 デート!?
「みなみ…」
ドキッ
ドキッ…
馬鹿みたいに心臓音が聞こえる。
なんだコレ。
…一体あたしは町中で何をやってるんだ。
「あっ初めて意識してくれた?」
「…なわけないでしょ」
あたしは溜息を付いて彼を見る。
多分…女の直感だけど、そういう事が言いたかった訳じゃないんだと思う。
悲しそうで顔が歪んでる。何かと戦っているような・・・そんな表情だ。
「ねぇ――、無理して
笑わなくて…いいよ」
あたしがそう言うと、更に泣きそうな顔をする拓己。
いつもの拓己ではない。
少し様子がおかしい。
これが本来の拓己なのかもしれない。
「お前はさ…裏切らない、よな?」
これが、拓己の心の内なんだ。
いつもはフェロモンで隠して
誰にも見せていない…素顔なんだ。