紅桜学園イケメン部!
第4章 モラルの無い奴ら
何の香りだろう。
凄く良いにおいがする。
・・・男なのに香水なんて使いやがって。
あたしよりも、そういうのにこだわってそうだ。
ぎゅっと掴むのも恥ずかしいけど、掴まないと落ちてしまう。
バイクの後ろに乗るのはやっぱり慣れない。
後ろ姿を眺めると、ああやっぱり。そう思った。
・・・要は少し、あの人に似ている。
整いすぎた顔や、笑い方。
バイクに乗せてくれた時に『しっかり掴まっとけよ?』と一声掛けてくれるのだって。
思い出したくもない過去は未だに鮮明に覚えていて。
バイクに乗ると、余計に嫌でも思い出す。
「みなみ、大丈夫か?」
「うん・・・」
あたしにやけに喋りかけてくれるのだって。