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『ん、何が？』

凛くんの表情を思い出す。
とても悲しそうな顔。

あたしにもある。…みんなにもある。


「おら、おじょーさん。飲もうぜ？」

拓己くんはあたしの腕を引っ張り、みんなの方へ連れて行く。

・・・酔っ払ってる？

「拓己くん、飲み過ぎでは？」

「いや～俺、酔わねぇ～よぉ？」

いや、酔ってる。
・・・いつも酔ってるみたいな喋り方だから、わかりにくい。


「拓己、飲み過ぎですよ」

紳士瑠璃くんが、あきれ顔で言う。

その隣で『へへ～』なんて言いながらあたしの顔をニコニコみている要くん。キャラ変わってない？気のせいか？

意地悪な要くんじゃない。
何か変な感じだ。


「なぁ。みなみは何で男が嫌いなの？」

ふと、瑠璃くんが質問する。

何でもないような質問なのに、一斉にみんながこっちを向く。

何でもないような質問。


だけど。

あたしには一番聞いて欲しくない質問だ。


「・・・何ででしょうか？」

あたしは笑顔で精一杯答えた。