紅桜学園イケメン部!
第7章 それらの事情
まだみんなは疲れていないのに、優雅の息は荒い。
・・・元気なイメージなのにな。
意外と運動不足?いや、違う。
大丈夫なのか?
あたしはやっぱり気になる。時々体が重くなる優雅。
…何というか、鈍くなるというか。
違和感をひしひしと感じながら、本人に言えないのがもどかしい。
今すぐ理由を聞きたいけど、聞いても確実に教えてくれない。
「おじょーさーん」
拓也があたしにスマイルで手を振るから、ファンが一斉に睨んでくる。
巻き込み事故起きてますって。
あたし巻き込まないで!
「拓也、あとで覚えといてねー?」
笑顔で睨んだ。だけど効果は無くて…
「夜のお誘い?
まぁー大勢の前でだ・い・た・んねぇ~?」
余計睨まれた。特に一番前で
『I・LOVE拓也!』
ってかいたうちわを持つ子が、怖い。
今にも包丁を投げてきそうな表情だ。