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オレンジkiss

第21章 ☆twenty-one

「………んで。何でキスしたの…?」


病室を出ようとした日向君に呟くように訊ねた。


「…やっぱり、起きてたんだ。……キスの理由なんて決まってる!"彼氏"として"彼女"にしたかっただけ」


日向君は、足をピタリと止めて、答えた。


「私…いつまで生きられるか、分かんないよ?………迷惑かけるし、辛い思いもさせるよ?」


日向君は、こちらを向いて歩きだした。

私は、涙を見られないように、顔を背けた。


「俺は…千秋に忘れられたり、頼ってもらえない方が辛いよ!」


そう言って、頭を撫でてくれた。

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