テキストサイズ

きょうどうせいかつ。

第3章 ゆうしゃはきょうも ねむれない。


「……あんっ! 」

そんな勇者の眠りを覚ましたのは、一つの声だった。

何だ? さっき、声が聞こえたような──。

旅をしていたためか、寝ていたとしても、すぐに敵の気配に気づけるよう、音には敏感だった。

もう一度耳を澄ます。

「はあ……。あっ……! んんっ……」

勇者は少し、いや、かなり後悔した。

何やってんだよ、あの二人……!!

「はあ、はあ……。おやめくださ──ぁんっ! あっそこは……んぁっ! 」

魔王が姫様と……ああああああ!!
何だよあの二人、隣に俺いるから! お熱いのはいいけど、俺いるから!

「らめ……っ! そ、そこは、……はあんっ!」

勇者の願いとは裏腹に、姫の喘ぎ声は止む気配がない。
むしろ激しさを増しているくらいだった。

俺、なんでこんなとこに……。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ