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きょうどうせいかつ。

第4章 ひめはまおうに ささやいた。


「姫様……。私は、あなた様の意見に反対せざるを得ません……」

「なぜ? なぜですか勇者様……。魔族の方が信じられないのですか? それとも──」

「私は──

あなた様を救わなければいけない身の上……

民衆は皆、長年の抗争で、混乱しております。まずこの抗争を治めなければ、話など聞いてはくれません」

「ならば、みなさんに戦うのを止めていただいたらいいのですね?」

勇者は、能天気な発言しかしない姫に、若干の苛立ちを覚えていた。

お願いだ。

お願いだ、姫。

民衆の気持ちもわかってくれ……。


民衆は、魔族を恨んでいるんだ。

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