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きょうどうせいかつ。

第6章 ひめはゆっくり かくせいする。


「その魔術は一体……。やはり、魔物に──」

「あー……、嫌ね。これだから人間は大嫌いなのよ」

姫は勇者をキッと睨んだ。
視線で人が死ぬとしたら、確実に死んでいた。そんな事を考えるくらいに、恐ろしいくらい殺気がこもっていた。

そんな姫に、魔王はひそひそと耳打ちする。

「□□□□□□□□」

「そうだけど……。──はあ……。ねえ、勇者様、その考え方やめてくれない?」

「は……」

「うーん、その、何か理解できない事が起こったら、全部魔物のせいにするの、やめていただけませんか? 」

金縛りは解けたというのに、勇者は一歩も動けずにいた。

「先ほど、勇者様も仰っていたでしょう? 何だっけ? 責任転嫁って奴よ。よくわかんないけど」

「責任……」

「そう。自分が理解できないものは、何でも魔族たちのせいにするでしょう? 現に、私が猫被るのやめたとき、魔物に乗り移られたと思ったでしょう?」

確かにそれは考えた。
しかし、その考えは、姫が魔王との戦いを止めた時点で思ったいた事だ。

「……」

「ほら、やっぱり」

彼女は返事がない事を肯定と受け取ったのか、にっこり笑ってパチパチ手を叩いた。

性格、変わり過ぎじゃないか?

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