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きょうどうせいかつ。

第7章 そしてふたたび よるになる。


敢えてドレスは修復しなかった。
もうすでに全身を覆って、ドレスを焼き付くしていたため、修復する気にもなれなかった。

彼女はすぐさま魔王のところへ駆け出した。

魔王は、裸の彼女を見て少し驚いていたのだが、彼女は構わず抱きしめた。

事情を説明する気にもなれず、魔王に抱きついた状態で、ずっと泣いていた。

そんな彼女を魔王は優しく包み込んでくれた。

そしてただ一言──。

『大丈夫だから』

と言ってくれたのだ。

涙が溢れた。
どれだけ恥ずかしくても、そんなのどうだってよかった。

魔王が側にいてくれるなら、何でもよかった。

もう、どうだってよかったのだ。

「好き──」

そう呟くと、魔王は彼女を離し、顎をつかんでキスをした。

とろけるような、本当に優しいキスだった。



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