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きょうどうせいかつ。

第1章 ゆうしゃのたびは おわらない。


「うふふ……。勇者様は様々なことを体験なさったのですね。それはさぞかしお疲れだったでしょうに、無理をいってすみませんでした」

「いえ。旅をしているというと、子供たちが話を聞かせてとせがんできたので慣れていますよ。お気遣いなく」

先程までのわだかまりも消え、場の空気がほっこりしていた。

勇者も、時間を忘れた語るのは久しぶりだったので、楽しい時間だった。

「さて、お腹がすいていることでしょうから、食事にしましょう。もう夜ですし、今日はここに泊まってください」

そう言って姫は立ち上がり、魔王に耳打ちした。魔王は頷き、ひっそりと部屋を出ていった。

「しかし……」

「大丈夫です。ダミアン様もあなたを襲ったりしないことでしょう。それとも、ここでは嫌ですか?」

「嫌ではありませんけれど……」

「なら、泊まってください。部屋へ案内しましょう」

そう言って、部屋を出ていく姫。勇者は仕方なしに姫の後ろをついていった。


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