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きょうどうせいかつ。

第1章 ゆうしゃのたびは おわらない。


「ここが勇者様のお部屋でございます」

そう紹介された部屋は、先程話していた部屋とほとんど変わらない広さで、ベッドや机など、生活には欠かせない家具が各種揃っていて、そこら辺の宿屋よりも快適に過ごせそうなくらい、整備されていた。

俺には少しばかり広すぎるんじゃ……。

勇者はそう思ったのだが、姫の行為を今さら断って、別の部屋へ案内してもらうのは気が引けた。

仕方ないので我慢する。

「何か必要なものがありましたらお申し付けください。私とダミアン様の部屋は隣にございますので」

そう言い残して、姫は部屋を後にした。

やっと一人になれた。

姫にはなにも言わなかったが、勇者は未だに整理がつかないでいた。

姫と、魔王が……。

「ああああああ!!」

姫と魔王のキスシーンを想像した彼は、ベッドに倒れて悶絶した。

──正直


悔しかったりするんだよなあ。



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