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ふたりのカタチ

第5章 言えないキモチ

あやねえの言葉は
さっきのホクロのキスより驚いた

ただ…
あまりにも小さくて消えちゃいそうな声だから、聞こえないフリをした

「さぁて、親父さんの部屋借りて寝よっかなー」

わざと大きくあくびと伸びをして
「おやすみ、あやねえ」って
頭にポンと手を置いた

さっきからずっと膝を抱えているあやねえは、オレの方を見ないままだった
「おやすみ」ともう一度言って頭に手を置くと、ようやく小さい声でおやすみなさいって言ってくれた

ベッドに入ると
少し先走りすぎた自分を反省しつつ
ホクロのキスを思い出し、ニヤけてしまった

ゆっくりと伝えてみようかな
「好きになったらごめん」じゃなくて
「好きになってよかった」って
言ってもらいたいな

そんなことを考えながら
深い眠りについた…

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