テキストサイズ

ふたりのカタチ

第5章 言えないキモチ

あまり眠れずに朝になっちゃったものだから
目が痛くてコンタクトが入らなかった
仕方なく分厚いレンズの眼鏡をかけて
朝食の準備に取りかかった

弟はコーヒーを慌ただしくすすったあと
かずちゃんを起こさないようにそっと
店舗のある1Fへ降りていき
開店準備を始めた

クロワッサンを一口頬張り
カフェオレで流し込む

「どうしたらいいんだろう」

何を考えていいかもわからなくなると
すぐにかずちゃんのイタズラな笑顔と
色気のある口元が
交互になって頭の中を駆けめぐる

「あーっもうっ!!」

少しイラつきながら
テーブルの煙草に火をつけた

「美容に悪いよ」
聞こえた声の方を見ると
イライラの原因が笑って立っていた…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ