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ふたりのカタチ

第8章 やっぱり

成田で弟とゆみちゃんと父を見送った後
1人にしてはひろすぎる家に戻りたくなくて
わざと人の多い街に出た

フラリと入ったカフェで式の時のかずちゃんを思い出していた

甘い歌声
幼いくらいの容姿の中に
時折見せる色気…

胸は苦しいけど…
これから1人で店をやっていくんだ、って
忙しくなるんだから、って
こんな風に悩んでないで
またちゃんと伝えればいい

家族を見送った後の夕方
長い時間同じ席に座り
考えて考えて出した答えは

やっぱり『ごめんね』だった

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