
背中デ愛ヲ、囁キナサイ
第1章 暗闇ノ中デ
今、僕はきっと、悪魔みたいな顔をしてるのかもな。
暗闇だからわからないだろうけど。
小さな体で抵抗してみせる彼女の脚を、僕は無理矢理開かせて、その中を指で探る。
「やめて」って言いながら、こんなにここを濡らして、僕の指を締め付けてくる君だって、もしかしたら悪魔みたいな顔をしてるのかもしれないね。
どっちにしろ、これで最後さ。
悪魔だろうが、なんだろうが、
好きになった君の顔を、
僕の手指をとめどなく濡らしてくる君の顔を
この目で確かめさせてよ……
僕の左側にある遮光カーテンの隙間から、かすかに漏れている青白い月の光。
悪魔な僕らにはちょうどいい明るさだろ。
