
背中デ愛ヲ、囁キナサイ
第1章 暗闇ノ中デ
僕が彼女にまたがったまま、思いきりカーテンを開けると、澄んだ光が、色白の彼女の肌を照らし出した。
彼女を見下ろすと、顔を背けたその目元からは、涙がキラキラと輝きながら流れ落ち、
僕がねじ伏せた細い手首には、うっすらと赤く僕の指の跡がついていた。
そして、彼女の右側の鎖骨から胸の膨らみにかけては、
真っ赤な蜘蛛の巣がはったような引っ掻き傷と、無数の小さな濃紅の血の固まりが、抽象画のように大きく広がり、
その中央には、まだじわりと鮮血が滲んでくる箇所がみられた。
