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背中デ愛ヲ、囁キナサイ

第1章 暗闇ノ中デ


「後ろからが好きなの」

 あの日、そう言われた僕は何の疑問も持たずに背中側から抱きしめた。

「愛してる」

 そう背中から囁くと、いつもと違う彼女の身の悶え方に、ある種の悦びさえ感じながら……


 背中から、か。

 この人は、そういうのが好みなんだな。

 それぐらいにしか思わなかったんだよ。

 実際、前に付き合った人の中には、服を着たままじゃないと感じないとか、ベッド以外でしてほしいとか、そんな嗜好の人もいたからね。

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