背中デ愛ヲ、囁キナサイ
第1章 暗闇ノ中デ
小さな翼の付け根から背骨に沿って、僕の唇を彼女の腰の辺りへ下ろしてくると、彼女は薄い毛布をギュッと胸に抱え込んで、ほんの少し腰を横にくねらせた。
あばら骨がちょっと浮き出るのが、何となく綺麗に見える。
僕は、目の前にある白い彼女の腰骨に甘噛みをしながら、彼女の様子を伺ってみたけれど、やっぱり彼女は抱きしめた毛布で上半身、それから顔も隠したままだ。
ねぇ、
どうしてこっちを見てくれなくなったの?
彼女と付き合い始めて半年以上経つけれど、もう、ひと月になるかな、こんな感じ。
それまでは、僕の手や唇との戯れに少し紅らんだ頬だって、ちょっと潤んだ目だって、しっかり見られたっていうのにね。