秘密の蜜は甘い
第2章 本当の気持ち
俺はじっと兄貴を見つめた。サッカー部で大人気の兄貴。ファンクラブまであって「学園王子」とか呼ばれてる兄貴。
―――…とてもじゃないが、敵わない。
あいつが兄貴に惚れてるのも分かる。
感情が『家族』としてでも、鈴は今一番兄貴が好きなはずだ。
それが凄く悔しい。
敵わないんだ。何もかもが。
…その上俺の心までお見通しって訳か。
「いつから気付いたの?」
「…見てたら分かるでしょ」
俺そんなに態度にでてたのか。溜息を付きながら兄貴を見つめた。
時々兄貴は何を考えてるのか分からない表情になるんだ。