秘密の蜜は甘い
第2章 本当の気持ち
「兄貴もどうせ、
鈴が好きなんじゃないのか?」
俺は知ってるよ。
鈴が気付かない時に、
チラ見してた事も。
鈴の寝顔を愛おしそうに
見つめてる事も。
鈴を狙う男子を凄い形相で
睨んでた事も。
「……でもね」
兄貴は寂しそうな顔で口を開いた。
「鈴は俺らの事、
兄弟として慕ってくれてる」
確かにそうだ。だから鈴は、平気で兄貴に抱きつくし、平気で『好き』か言えるんだ。
そんな兄貴の下心を知ってしまえば、鈴はどんな反応を見せるのだろう。
俺は無言で兄貴を見つめた。
きっと俺達そうなんだ。
…関係性が崩れるのが怖い。