秘密の蜜は甘い
第1章 あたしの秘密
「おーぃ鈴。
起きないと遅刻するぞー?」
「ん…――」
冬の朝はもはや敵だと思う、
あたしの名は、日向鈴。
あたしにはお兄ちゃんのレオと、弟のリクが居て、どっちかがこうして起こしに来てくれるのだ。
寝起きが悪いあたしに比べて、
お兄ちゃんもリクも
寝起きが良いのだ。
あたしはお兄ちゃんが来たら、わざと眠くなくても眠たいふりをする。
…今日は本気で眠いんだけどね?
「もぅ…今日行かない…っ」
駄々をこねても、あたしのお兄ちゃんは優しいから起こったりしない。リクは絶対キレるんだろうけどね。
リクは乱暴だから嫌い。
いつもはやく
起きないと叩いてくるんだ。
あたしは布団を被りながら
ニヤニヤしている。
…声まで格好良い。