秘密の蜜は甘い
第9章 駄々をこねて
「リクの馬鹿ッ!」
あたしは自分の部屋から駆けだして、リビングに向かった。
…ベーコンエッグの良いにおい。
お兄ちゃん特製料理の一つだ。
「あ、鈴おはよう」
キッチンに居たお兄ちゃんにぎゅーっと抱きついた。いきなりで困惑したようだったけど、いつもみたいに撫で撫でしてくれる。
朝はこうしてもらわないと、
もう変な感じするかも。
「ねぇーお兄ちゃん、聞いてよ!
リクがケチんぼなんだよ!」
「リクがどうしたの?」
学園王子と呼ばれるのに相応しいほど、キラキラオーラを醸し出している。
…なんでそんなに朝から
眩しいんだろう?