秘密の蜜は甘い
第9章 駄々をこねて
「だから、兄と弟、どっち?
…もしかして他の男?」
「え、他に男がいたら瞳にもバレますって。それにあたしはお兄ちゃんと居られたら十分だもーん」
「じゃあ兄?」
「でもリクも行くって。あー折角お兄ちゃんとデートなのにぃ…」
「でも、あの弟くんってたまに野獣になりそうよね」
瞳の言葉で、あの日キスされたのを思い出す。
今まで無いくらいあの時は心臓の音が速かったっけ。
…まぁそれからリクを意識する事もあったけど、本人の態度があれじゃあドキドキするもんもしない。
「顔赤いわよ、
何考えてんの?まっまさか…」
「ちっちがう!何にもないよ!」
あーもう。
瞳は変にかんが良いから困る。
今もあたしを疑いのまなざしでじーっと見つめてるんだもん。