秘密の蜜は甘い
第1章 あたしの秘密
「今日試合見に行くね!」
「…鈴、無理すんなよ?」
お兄ちゃんの真剣そうな顔で、
あたしはお兄ちゃんを見つめた。
「…大丈夫だから、安心して?
しんどくなったら座るし、
ちゃんと体調管理するっ」
あたしは多分、
そんなに長く生きられない。
この体、弱いもんね。
どんなけ食べても太れない。
偶に息切れが起こって苦しくなる。
でも、それは案外ラッキーだったのかもしれない。お兄ちゃんは、その御陰であたしを第一に思ってくれる。
彼女は作らないし、いつでもあたしを優先的にみてくれる。