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「今日彼氏とデートだから早く帰らなきゃ！ばいばい美波！」

『そう、ばいばい』

手を振りながら去っていく彼女を見てちょっと羨ましく感じた。

彼女は彼氏とデート、というだけであんなにも嬉しそうにしていた。

…あたしは嬉しくない。藍斗とデートって何か気まずいだけだし。

だから羨ましく感じたんだ、彼女が。

はぁ、と溜め息を吐いた時・・・

「美波ー！」

クラスの男子、宮岡があたしに話しかけてきた。

あたしが『何』とそっけなく返事をすると宮岡は気にもせず喋り出す

「あのさ！俺達同じ委員会じゃん？そんで今度やるイベントの事で聞きたいことあんだけど…」

イベント…？
あぁ、あれのことね

『聞きたいことって？』

「えっと…ここの資料のとこなんだけどさ」

『ああ、ここはー…』

「美波ッ！！！」

『あ、いと…？』

ハァハァと荒い息をしながら勢いよく教室のドアを開けたのはあたしの彼氏、藍斗だった。