心から
第3章 心からの笑顔
「う゛ぅ~」
机に突っ伏して唇を尖らすと
喉を震わすように唸った。
「どうしたの。
まさか本当に嫌われちゃった?」
ナゴミの声が心臓を突き刺す。
もうコイツのデリカシーが無さについて
ディベートでも何でもするべきだと思う。
「うるせぇ黙れ」
「あれ、否定しないんだ」
僕はナゴミを無視すると
ナゴミはいきなり話題を変えた。
「そういや、前言ってたラノベ読み終わっちゃってさ、
今読んでる
『萌えよ魔法少女メルティー』の主人公、
メルちゃんが恋する
人間の男の子の名前が
“ナゴミ”なんだ」
ナゴミの瞳がキラキラと輝いている。
基本、何事にも冷めた態度のナゴミが
こんなにも何かを熱弁するのは少し新鮮だ。
そして少し不気味でもある。
「ふーん」
昔から興味の無い話題には
とことん食い付かない僕は
鼻で返事をした。
「俺、今日から“ナゴミ”として
生きていくわ」
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