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心から

第3章 心からの笑顔

そう言って小さくガッツポーズをすると、
窓からナゴミを見つめる女子たちの表情が
ぱっと明るくなる。

『いつものミステリアスな和己様も素敵だけど、
今日の和己様も可愛くて素敵だわ~!』
『何か良い事でもあったのかな?』
『ぜひお聞きした~い!』

呑気な奴。

あの女子たちも、ナゴミも。

僕も片想いの時が一番楽しかった。

常に何か物足りなかったけど。

それは今も同じで。

「そりゃ良かったな」

ナゴミにそう言うと
僕は重い溜め息をついた。

ふと周りを見渡すと、
同じクラスのヲタクが
ナゴミの言っていた
ラノベを読んでいた。

魔法少女…なんだったっけな。

僕はそのヲタクを指差す。

「ナゴミ。アイツ、同じの読んでるぞ」

ナゴミは眉間にシワを刻む。

「あんなのと同じにしないでよ」

「いや、でも明らか…」

最後まで言う前に
ナゴミは話し始める。

「メルちゃんは俺のだよ。メルちゃんは俺に惚れてるんだ!」

あぁ、イタイイタイ。

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