兄と首輪
第8章 兄と鍵
…涙が…止まらない…
ギュー…
兄が…私の体を…強く抱きしめた…
「・・・く・・な…アヤ…
待ってく・・くれ・・
俺を・・・」
聞こえない…あまりにも…小さい声で…聞き取れない…
『…何…聞こえ…』
ギュッ・・・・・
「アヤ…俺を置いて…綺麗に…ならないで…
アヤが…どんどん…綺麗になって行って…俺を…置いてどこかに行ってしまいそうで………
怖いんだ………」
『//////』
兄さんの腕が…さらに…強く私を抱き寄せた…
泣いて…いるのかも…しれない…
いや………泣いているのは…
私だ…………
兄さんも…私と…同じ…不安が…あったのか…な…
「アヤに…大丈夫って……言いながら…俺の中で…不安が…どんどん・・どんどん・・・どんどん!強くなって…
卒業が…嫌で…不安で…
最悪…だと…思ってる…よな…」
私は…溢れる涙が…止まらなくて…ただ…兄さんの讒言にもにた…叫びを…聞いていた…
「アヤ…そんなに…早く……大人に…ならないで………」
何度も名前を囁かれて…
兄さんの弱い心をぶつけられて…
すごく…うれしかった…